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一からのどぶろく作り
「どぶろく味噌」とは、麹と麦味噌を独自の配合で混ぜ合わせた発酵食品です。
このどぶろく味噌ができるまで数々の失敗を乗り越えてきました。

宮崎県三股町は、豊かな自然の中で育んだ米や水を使ってどぶろくを醸造する、通称「どぶろく特区」の認定を受けています。どぶろく製造の許可を得るためには厳しい条件をクリアしなければならず、全くの素人ながら条件の一つである米作りも一からスタートしました。

地元の特産品を作ることで地域活性化の一助になりたいという思いで、なんとか2013年にどぶろく製造販売免許を取得しました。免許は取れたもの、最初に作ったどぶろくは苦くて全く飲めるものではありませんでした。

体にやさしく美味しいどぶろくを目指して
どぶろくとは、米こうじや酒粕に残る酵母などを加えて発酵させて造る、日本酒(清酒)の原型です。

材料は蒸米、麹、アルコール酵母と水という、一見シンプルなお酒です。しかし、誰もが美味しいと思える商品作りを追及していくとこれが難しく、悪戦苦闘を繰り返す日々でした。また材料を厳選し、使用する米も自ら有機栽培にこだわって自家栽培した米を使用しました。それでも納得のいくどぶろくを作ることは出来ませんでした。

商品化できないまま作ったどぶろくの酒税を払わなければならず、経営をかなり圧迫していました。そんな中でも家族の支えがあり、知人からのアドバイスを受けてさらに三年間かけて温度や材料の配合などの試行錯誤を続けました。

使用する麹の割合も通常より多くし、麹本来の甘みを引き出すことにもこだわりました。そしてついに、口に含むと麹の甘い香りがただよう、濃厚などぶろくが出来上がりました。
やっと納得のいくどぶろくが出来て、地域活性化の思いはかなったものの、材料代やその他の経費を考えると赤字同然でした。そこでどぶろくを使った新たな商品開発を迫られました。

江戸時代から続く麹の活用法
新たな商品開発を進めるにあたって注目したのは、どぶろくの成分のひとつである「麹」の働きでした。麹に含まれている酵素のひとつに『プロテアーゼ』というものがあり、それが肉のたんぱく質を分解し、柔らかくするのです。肉や魚を柔らかくしたり、臭みを消すという麹を利用した下ごしらえは、江戸時代から存在していると知り、その身近な活用法には目から鱗が落ちる思いでした。

地域で育まれたもので作られたどぶろくを食品として利用できれは、新たな地元の特産品にもなると思い、開発をスタートさせました。

しかし、どぶろくだけで肉の下ごしらえに利用してみると、甘みはあるものの、味にはもう一工夫必要でした。そこで調理に使えるどぶろくというコンセプトの中で考え出されたものが、どぶろくに麦味噌を混ぜ合わせた「どぶろく味噌」でした。試しに地元の特産品である鶏や豚料理の味付けとして使用すると、美味しさが引き立ち「これだ!」と思いました。

どぶろく味噌の完成
どぶろくに混ぜ合わせる味噌もまたどぶろく作りと同じように、一から味噌作りを学び、何度も味噌を試作しました。なかなか思うような結果が得られず、資金面や品質を安定させる技術面でも、苦労の連続でした。

また自ら作った味噌だけでなく、地元の味噌・醤油醸造所や味噌を研究されている方々の力も借り、製品開発を進めていきました。そうしてやっと、どぶろくの甘さと味噌の旨みのバランスの良い納得のいくものが出来上がりました。こうして今回商品となったのがこのどぶろく味噌です。

鶏肉や豚肉とどぶろく味噌を揉み込んで焼くだけで、酵母と麹の力で、肉の旨みを引き出し、麹の甘みや香りを味わうことができます。自然の力だけで造られた、身体にも優しい麹と味噌の味わいをご堪能頂ければ幸いです。


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